今日は、貧血と鉄欠乏についてお話します。
貧血とか鉄分という言葉は聞いたことがあると思いますし、
疲れやすい、立ちくらみ、イライラしやすいなどの貧血の症状がある人も多いのではないかと思います。
特に女性は生理があるので貧血は必ず対策したいところ。
男性も食生活によっては貧血や鉄欠乏になってしまいます。
そこで改めて貧血と鉄について解説したいと思います。
今回のポイント!
- 貧血=鉄分補給ではない。
- 貧血にも種類があり、それぞれ必要な栄養素は異なる
- 慢性炎症やカンジダ感染では鉄分補給はNG
- 鉄とタンパク質は絶対必要な栄養素、それらを消化吸収するための胃酸分泌が重要。
詳しくは続きをどうぞ!
貧血の症状は様々です。
疲れやすい、動悸、息切れ、頭痛、めまい、立ちくらみ、冷え性、イライラしやすい、甘いものがやめられない、髪がパサパサ、爪がもろい、などなど。
コラーゲン繊維を作るのに、鉄、タンパク質、ビタミンCが必要なので、爪が割れやすい、髪がパサつくという症状にもなります。
鉄と酸素は人がエネルギー(ATP)を作る時に必須で、
血が作れない、エネルギーを作れないとなると、上記のような症状につながります。
しかし、貧血だからといってむやみに鉄分補給というのは必ずしも正解とは限りません。
それは血液検査で確認できます。
血液検査で貧血かどうかを確認するのはヘモグロビンの数値です。
ヘモグロビンはヘムという鉄とグロビンというタンパク質でできています。
ここでも鉄とタンパク質が関わります。
ヘモグロビンは酸素を身体中に運んでくれます。
酸素は人間には最も重要なものなので、ヘモグロビンの数値が下がる=貧血と判断されます。
反対に貧血の症状があっても血液検査では正常値ということもあります。
その場合、鉄欠乏もチェックします。
鉄欠乏はフェリチンが関係します。
フェリチンというのは、鉄結合性タンパク質と言って、身体中に存在し鉄を保存してくれているタンパク質です。
血液中の鉄が少なくなるとこのフェリチンから鉄が放出され、体内の鉄分を調節してくれます。
なので血液検査では、フェリチン値が低値は潜在的な鉄欠乏、隠れ貧血ではないかと推測されます。
先にフェリチンが低くなり、その後にヘモグロビンが低くなります。
そして貧血や鉄欠乏に関わるのが赤血球です。
正常な赤血球を作るためには、タンパク質、鉄、ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンB12、亜鉛、葉酸などが必要です。
鉄とタンパク質が不足すると正常な大きさの赤血球になりません。
これを小球性貧血と言います。
赤血球が小さいためうまく機能せず、細胞への酸素供給が上手くできないため貧血の症状が出ます。
もう一つ、ビタミンB12や葉酸不足になると、巨赤芽球性(きょせきがきゅうせい)貧血になります。
これは赤血球から核がなくなる時にビタミンB12と葉酸がはたらくのですが、
それがうまくできず、大きいままの赤血球になってしまうことです。
大きい赤血球は毛細血管の中を通ることができないため、末端冷え性などの症状が出ます。
こういった場合、サプリで鉄を補給するというよりも、
胃腸機能を整えて、お肉や魚、卵など栄養価の高いタンパク質を摂取することの方が大切です。
特に鉄分も一緒に摂取できる赤身肉は週に1度は食べておきたいです。
鉄分、タンパク質、ビタミンB群など様々な栄養素の不足で貧血は起こります。
すぐに鉄分補給に走らず、
栄養素を満遍なく摂取できる食事を心がけましょう。
注意したいのは、体内に慢性炎症があると鉄の吸収や放出がストップしてしまうということ。
もう一つ、カンジダ菌が増殖した腸内環境では、鉄はカンジダに奪われてしまうということです。
まずはこの2つを取り除くことも先決です。
鉄や、タンパク質など足りない栄養素がないかチェックして
胃腸の消化吸収力を高めましょう。
ではまた!!
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