今日は口腔環境についてお話します。
単純に口の話をするなら歯医者さんの方が詳しいですからね。
運動指導者っぽく脳や栄養との関連についても少しお話します。
今回のポイント!
- 口は消化管の入り口、口が汚れていれば腸も汚れている
- 咀嚼は脳とも関係する
- アルツハイマーの患者は、歯の本数が少ない
詳しくは続きをどうぞ!
まず、口腔は消化管の入り口という認識が大切です。
口に入れた食べ物を咀嚼し、唾液で消化します。
この唾液の消化力は凄まじいもので、
例えば、中華のあんかけを大皿でご飯を食べた時、
最後の方になると残った汁がしゃばしゃばになってることがあると思いますが
あれが唾液の消化作用です。
唾液のついた箸で大皿から料理を取ることで唾液がお皿に残り、消化が始まってしまうのです。
すごい威力ですよね。
なので、咀嚼ができてない、唾液が出ていないと消化不良となり、
胃に負担がかかり、腸での吸収不良、腸内環境悪化に繋がります。
胃腸機能が大事と言い続けてますが、
その胃腸機能に関わるのが口腔なので、口腔のケアも必須です。
咀嚼は脳とも関係してきます。
咀嚼によって、ドーパミンやノルアドレナリン、セロトニンが前頭葉から分泌されます。
ドーパミンは喜びや快楽の感情、ノルアドレナリンは集中やストレスへの抵抗、セロトニンは幸せ感と関係があります。
咀嚼不全になるとこれらのホルモンが出なくなります。
さらに記憶などを司る脳の海馬という領域で酸化ストレスが亢進し機能低下を引き起こし、
また空間認知能力も低下するということがわかっているそうです。
それくらい咀嚼というのは脳と関係しています。
脳との関係に大事なのが、歯根膜という部分です。
歯根膜には神経が通っていて、痛覚、触覚、圧覚、歯の位置感覚の情報を脳へフィードバックします。
咀嚼によってこれらの刺激が脳へ伝わり、様々な反射が起こります。
歯周病はこの歯根膜の組織が壊されることで、脳への情報量の不足、感覚不足へと繋がります。
ただ咀嚼をすればいいというわけでもなく、
歯の本数や歯並び、歯周病の有無、綺麗な噛み合わせなど、口腔の健康の要素は複数あります。
歯の本数は、乳歯列で20本、永久歯は親知らず抜きで28本です。
アルツハイマー型認知症の患者は、健常者と比べて歯の本数が約1/3になっている、また発症のリスクが3倍になるというデータもあります。
歯を失う原因というのが実は虫歯より歯周病の方が多いそうです。
実は歯は顎の骨に埋まっていて、歯周病になると歯槽骨と呼ばれるその骨自体が溶けていき、結果歯が抜けたり歯並びが悪くなったりします。
歯肉炎や歯周病は20代でも7割、30〜50代は8割、60代は9割が罹患しているとも言われています。
気づいてないだけ、もしくは歯茎から出血したことがあっても治療に行ってない人いませんか?
すぐに治療してもらいましょう。
虫歯や歯周病の原因は、近代的な食事、特に砂糖や炭水化物中心の食事です。
実はこれがアルツハイマーとも関係します。
アルツハイマーは脳内にアミロイドβというタンパク質が蓄積することによって、神経伝達に障害が起きることで発症します。
このアミロイドβはインスリンによって分解されます。
しかし、インスリンといえば、糖の吸収に使われるホルモンですよね。
糖質過剰になるとインスリンは糖の吸収に使われ、アミロイドβの分解まで手が回りません。
また睡眠不足もアミロイドβの蓄積や炎症反応を促進するので、
糖質と睡眠は口腔と関わりが深いです。
ちょっとした豆知識を少し。
震災時の口腔ケアについてです。
震災時は衛生的、精神的苦痛から呼吸器感染、主に肺炎が増えます。
大量の水がない場合は歯磨き粉を使うのは控える方がいいです。
歯ブラシがある場合は、歯ブラシは毎回ティッシュで拭き取って使いましょう。
歯ブラシ後には、30mlのお水を2回に分けてしっかり口をゆすぎます。
歯ブラシがなければティッシュで歯の表面を拭き、
お茶などがあればお茶でうがいをしましょう。
まとめ
口腔環境は消化だけでなく、脳とも関係があります。
まずは糖質過剰にならないように、食事内容を整え、たくさん咀嚼しましょう。
歯の隙間の汚れから虫歯や歯周病が始まります。
虫歯や歯周病の予防には、歯ブラシだけでなく歯間ブラシも使いましょう。
口は消化管の入り口です。
入り口が汚れていれば、その先も汚れてしまいます。
腸内環境のために良い食事をしても
口が汚れていれば悪い菌が体に入ってしまいます。
腸のケアと一緒に、口腔のケアもしましょう。
ではまた!!