今日からは栄養素一つ一つを見ていきたいと思います。
その第一弾、タンパク質です。
タンパク質(protein)の語源はギリシャ語のproteno(一番に位置するもの)、1番大事なものという意味です。
三大栄養素の中で唯一窒素を得られるもので、1番大切な栄養素というので名付けられました。納得です。
どの栄養素もなくてはならないものですが、
タンパク質がなければ、まず身体ができませんから。
タンパク質の基礎知識、どれくらい食べたらいいかなどをお話して行きます。
今回のポイント!
- 1日に体重1kgあたり1gは最低限摂取(60kgなら60g)
- 動物性(肉、魚、卵)gと植物性(大豆、穀物、野菜)をバランスよく
- 胃、肝臓、腎臓の機能が大切
- 咀嚼、酸っぱいものや消化酵素(野菜)で消化補助
詳しくは続きをどうぞ!
タンパク質は炭水化物と脂質と並んで、三大栄養素と呼ばれます。
この三大栄養素は人のエネルギー源になるものです。
主なエネルギー源は糖質と脂質。
タンパク質の主な働きは体を作る原料となることです。
筋肉、皮膚、内臓、髪の毛、血液、ホルモン、酵素、免疫物質、神経伝達物質、甲状腺ホルモン、インスリンなど、ありとあらゆるものの材料となります。
そのタンパク質は、20種類のアミノ酸からできています。
20種類の無数の組み合わせによって、いろんなタンパク質が作られ、それがまた他の栄養素とくっついて、様々な物質になります。
この20種類のアミノ酸も2つに分けることができます。
人間の体内で合成できないものを「必須アミノ酸(9種類)」
体内で合成できるものを「非必須アミノ酸(11種類)」と言います。
体内で作れない、外から取り入れなきゃいけないから「必須」の方を意識して摂取しようとも言われるのですが、
常に体内で必要とされるから「非必須」のほうが実は大事なのでは?という意見もあります。
まーどっちかの二元論で済むような人間の体ではないですね。どっちも大切です。
「必須」のほうが不足しやすいのは確かです。
さて、糖質や脂質は体の中に貯蔵することができます。
糖はグリコーゲンとして筋肉や肝臓に、脂質は脂肪として蓄えられます。
エネルギーがなくなった時のために取っておけるのです。
しかし、タンパク質は体の中に貯蔵庫がありません。余った分は尿から排泄されます。
とはいえ、全くないわけではなく、1日200gほどが細胞内の小胞体で再合成されていて、アミノ酸プール(アミノ酸が貯蔵されているという概念)はあります。
貯蔵されているアミノ酸の70〜80%は骨格筋にあるため、筋肉が多い方がいいのです。
だから運動して筋肉量の維持、増加に努めるべきなのです。
しかしこの再合成をしてくれている小胞体は、ストレスに弱いです。
ストレスがある人は、再合成できない、また交感神経優位で消化力低下となると、
ますますタンパク質不足になりますので要注意です。
タンパク質を摂取する際に意識したいのがアミノ酸スコアです。
アミノ酸スコアとは、食品に含まれる必須アミノ酸のバランス度のことで、100に近い方がいいです。
アミノ酸スコアには、桶の理論というものがあります。
9種類のアミノ酸の板で桶ができていた時、8種類が100で1つだけ80のスコアだと、その80のところまでしか吸収できないということ。
そうするとその食材のアミノ酸スコアは80となります。
なるべく全体的に高いものを選んだ方がいいということです。
タンパク質には、動物性タンパク(肉、魚、卵)と植物性(大豆、穀物、野菜)があり、動物性のほうがアミノ酸スコアはほとんどが100となります。
とはいえ、食事はバランスです。
食材はアミノ酸以外にも含まれています。
動物性だけに偏らず、植物性も摂取しましょう。
最近では動物性タンパクの過剰摂取のリスク、特に牛肉の発ガン性など色々わかってきています。
何事も過剰はよろしくないですね。
タンパク質は、1日で体重1kgあたり1gはとりましょう。筋トレしてる人は1.5〜2g、または3gとも言われています。
そして、タンパク質の代謝にはビタミンB6が必要です。
代謝が行われるのは主に肝臓や腎臓です。
「特に大切なもの」という意味の「肝腎要」って言葉はそういうことです。(要って本当は腰って意味らしいですよ)
肝臓で代謝して、腎臓で濾過して排泄するんです。
この2つがなければ解毒ができず、体に毒が溜まって死んでしまいます。
健康診断で肝臓や腎臓に異常がある場合は、むやみにタンパク質を増やしたりせずに、
まずは臓器の健康を取り戻すことが第一です。
腎不全や肝不全がある場合は、タンパク摂取量は減らさなければなりませんのでご注意を。
もっと大事なのは、消化力です。
他の植物や動物から得たタンパク質は、消化して人の細胞に合成し直すのに手間がかかります。
消化吸収に負担が大きいのです。
なので、肝腎に負担がかかるのは、消化がうまくできていないから。
つまり、胃がちゃんと働いているかどうかの方がもっと大事です。
このブログでは何度もお伝えしていますが、
咀嚼をすることと、酸っぱいものや消化酵素の多い食材を食事に取り入れること。
これは絶対です。
人体に1番大切なもの、タンパク質。
消化力不足で逆に自分の体に負担をかけないように、
自分の消化力と食事内容を確かめながら
毎日必要量を満たしましょう。
ではまた!!