今日は、ロバート・フリッツとウェイン・S・アンダーセン著『自意識(アイデンティティ)と創り出す思考』の感想をシェアします。
結論から言うと、題名の通り、
自己肯定感なんていらないという本です。強烈。
僕は自己肯定感大事だと思ってたので、最初の2章くらいは読んでてとても気持ち悪かったです。
やっぱり自分の考えを否定されるのって受け入れ難いですよね。
でも読み進めていくと、なるほど!となって、結果的にとても好きな本になりました。
もちろん一つの考え方として捉えているので、
自己肯定感も大事だし、この本の内容もとても大事だと思います。
ではいきましょう。
この本を簡単にまとめると、
「人生で何を創り出したいのか」を決め、今現在の自分の立ち位置を知り、
その間のプロセスにだけ集中して行動していけば、
そのプロセスには「自分が自分をどう思うか」という自己肯定感やアイデンティティなんか関係ない
ということです。
痛快ですね。
なんで自己肯定感が必要ないかというと、
自己肯定感をあげようとする一般的な自己啓発系の取り組みは
「私は自己肯定感が低い」という前提をむしろ植え付けてしまうから逆効果であると言います。
これを著書では構造の違いを理解する必要があると話します。
自己肯定感を高めようとして、でも上手くいかない人はのパターンは、「揺り戻しパターン」の構造になっています。
揺り戻しパターンというのは、自分に対する嫌な思い込みと理想の自分との間を行き来してしまうことです。
例えば、部屋の真ん中にいると仮定して、正面の壁から自分への嫌な思い込み、
反対の壁から理想の自分というゴムが自分につけられているとします。
この時、理想の自分に近づけば近づくほど、自分への嫌な思い込みは元に戻そうとする力が強くなります。
これが結局変われない人の考え方です。
ダイエットでリバウンドする人などもそうです。
人には自分への「嫌な思い込み」があると言います。
嫌な思い込みを改善するための理想を掲げると、理想に近くなればなるほど嫌な思い込みによって引き戻されていきます。
この葛藤はストレスとなります。
例えば、「できるビジネスマンになりたい」という理想を掲げている場合、
仕事でミスをした場合、「こんなんじゃダメだ」という葛藤が生まれる。
できるビジネスマンの基準に満たない間は常にアイデンティティを脅かされ、
ストレスとなって体を蝕んでいきます。
こういう人は、もっと頑張らなきゃと思って交感神経優位で無理をして、
最終的に副腎疲労になるパターンです。気をつけてください。
ではどうするか、はじめにまとめた通り、
創り出したいことを決め、そこまでのプロセスに集中するだけ。
これを「緊張構造」というもので説明しています。
弓矢をイメージしてください。
弓が強く緊張すれば矢は的に届き、弱い緊張だと矢は手前に落ちます。
緊張は必ず解消に向かいます。
望む結果を決めることで今の現実との間には緊張が生まれます。
結果を明確に決めることで、脳はどうやったらそれを達成できるかを考え始め解消に向かうのです。
そして、「自分をどう思うか」はこのプロセスに一切関係ありません。
望む結果を決めたところで、自分への思い込みの中で生きていると「揺り戻しパターン」になってしまいます。
「自分をどう思うかはプロセスには一切関係ない」
これを肝に銘じることが大切です。
自分をどう思うかは事実として認めるだけでいいのです。
これに対して、僕が素敵だなと思った文章があるので紹介しておきます。
自分自身を問題であるかのように捉えて人生を解決するのではない。志と価値観によって、進む方向を決めるのだ。自分のエネルギーの使い道を間違えてはいけない。
人が生きる世界は、ふたつある。ひとつは自分自身の自意識に終始する世界。もうひとつは自分が生きたい人生を創り出す世界。このふたつは似ても似つかない別の世界である。
興味ある人は読んでみてください。
ちなみに、書いてて思ったのですが、
PCMという性格タイプ別のコミュニケーション術的に言うと
青タイプの人は元々こういう考え方だと思います。
段取りや効率よく物事をこなしたいタイプのビジネスマンなんかがそうです。
反対に、心とか周りの目が気になって、、みたいな人にとっては
それができないから苦労してるんだと思われそうです。
なんせ僕がそうだから笑
こういう人はオレンジタイプで、日本人に多いそうです。
良くも悪くも周りのことを気にできる人。仕事において青タイプとは正反対です。
和を重んじる国ですから、オレンジタイプがたくさんいるのも頷けますが、
自分の人生を考えた時に、意識の方向を間違えないように。
他人軸ではなく自分軸。自分がどうしたいかです。
人生において、なんて大それたことでなくてもいいと思います。
英語喋れるようになりたい、あの観光地に行ってみたい、
あの本読みたい、この映画観たいという些細なものも。
達成したいものを決め、そこまでのプロセスに集中する。
その積み重ねで結局自己肯定感も上がってると思います。
「生きたい人生を創り出す世界」
素敵な言葉に出会いました。
皆さんも自分の生きたい人生を創っていってください。
ではまた!