6月23日に行ったセミナーの内容をご紹介します。
Part1では、慢性炎症を取り上げ、特に腸内環境を中心にお話しました。以下参照↓
https://saku31.com/2020/06/18/meneki-seminar/
Part2のテーマは「呼吸」です。
免疫が低下する流れは、炎症→交感神経優位→免疫低下です。
この交感神経優位の状態が呼吸を乱します。
炎症の部分は、食事やストレスも原因の一つとなります。
今回はなぜ呼吸が乱れるのかというお話と、呼吸を改善するエクササイズを実際に行いました。
まず、呼吸のチェックなのですが、
鼻呼吸か口呼吸かが大きな分かれ目です。
口呼吸の特徴は、よく喉が乾く、起床時に口が乾燥している、ため息をつきやすい、出っ歯気味などなどです。
口呼吸をしていても何一つ良いことはありません。
口呼吸だと鼻の粘膜を通さないため、病原菌などが直接体内に入り込み、感染しやすくなります。
また口腔内が酸性に傾き、虫歯や歯周病にもなります。
さらに、歯並びが悪くなり、これも虫歯や歯周病にもつながりますし、
顔面の骨格が変化する原因ともなります。
口呼吸の特徴の一つにアデノイド顔貌というものがあります。

上の子が鼻呼吸、舌の子が口呼吸。
出典:http://www.shonan-ortho.jp/column/alignment/
顔が面長で顎がシャープ、頬骨がくっきりせず、のぺっとしたような顔が特徴です。
呼吸で顔面の骨格が変わるのは少し怖いことではありますが、
呼吸を変えれば少しずつ骨格も変わっていくので、ご安心ください。
次に肋骨です。
なぜ肋骨をチェックするかというと、
下部の肋骨に付いている横隔膜の機能をチェックするためです。
横隔膜は呼吸と連動しています。
本来肋骨は軽く内側に丸まっていて、その状態で横隔膜が正常に働きます。
呼吸が浅い人の肋骨の特徴は、お腹付近の肋骨が前に出ている「リブフレア」という状態です。

出典:tarzanweb.jp
自分の肋骨を触ってみて、ポコっと骨が前に出てるとリブフレアと判断できます。
もしくは肋骨が横に広がりすぎていても、横隔膜が正常に働いていない可能性があります。
横隔膜はドーム型をしているので、上下で動く幅が大きい方が呼吸が深くできます。
肋骨が前に出ていたり横に広がっていると、
横隔膜の上下の動きが浅くなってしまい、呼吸がうまくできなくなってしまいます。
実際に呼吸を使って判断することもできます。
軽く息を吸ってから少し息を吐き、鼻を押さえて息を止めます。
この状態で次に息を吸いたいと思うまで何秒かを測るという方法です。
どれだけ長く止めていられるかの勝負ではないので、絶対に無理はしないことです。
タイマーを使って測ってみてください。
10秒以下は明らかに呼吸が浅い状態です。
20秒以下でもまだ呼吸が浅いと言えます。
40秒以上になると、適切な呼吸ができていると評価できます。
絶対に無理はせず、リラックスした状態でやってみてください。
呼吸のエクササイズの実践と、日常のストレス対策や食生活をしっかりしておけば呼吸は改善することができます。
呼吸の乱れと関係しているのが、血液のpH値です。
小学生か中学生の時に勉強した、酸性かアルカリ性かの実験を思い出してください。

pHは酸性の0〜アルカリ性の14までありますが、
血液のpHは7.35〜7.45という非常に狭い範囲で厳重に管理されています。
このpHが乱れると呼吸で調整しようとする働きが起こります。
息を止めるとpHへ酸性に傾き、反対に過呼吸になるとアルカリ性に傾きます。
私たちが100m走をすると、走っている間は息を止めているため酸性に傾き、
走り終わるとそれを元に戻すために、ハァハァとたくさん呼吸をしてpH値を戻そうとします。
このpHを乱すのが、ストレスと添加物や動物性食品などの食生活です。
ストレスや食生活でpHが酸性になると、呼吸を多くしてpHを戻そうとします。
だから気づかないうちに過呼吸になっているのです。
ストレスや食生活も気をつける必要があります。
では、セミナーで実践した呼吸改善のエクササイズをご紹介します。
やり方は、息を吐く→止める→吸うを10秒ずつ合計4セット、これだけです。
人は1日2万回呼吸していると言われ、現代人はもっと多いとも言われています。
1呼吸に約4秒の計算です。
これを1呼吸30秒にします。
1分間で2回しか呼吸しません。
そうすることで、酸素供給や濃度、自律神経を適正に安定することができます。
とにかく呼吸の数を減らすことが最重要です。
苦しい人は5秒ずつにするなど、調整してください。
これも絶対に無理はしないこと。
エクササイズ実践後に息が上がっていても意味はないので、
リラックスした状態でできる範囲の秒数でやってみてください。
たった2分間のエクササイズですが、
実践後に目元がじんわり温かくなった気がしたり、頭がスッキリした感じが得られると思います。
呼吸が改善すると大きく分けて3つの変化が得られます。
1つ目は、体内環境の変化です。
眼精疲労の回復や自律神経の安定、ホルモンバランスの安定などです。
2つ目は、身体機能的な変化です。
筋緊張が緩和されることで姿勢が良くなったり、それによって肩こり腰痛が改善されることなどです。
3つ目は、精神的な変化です。
自律神経の安定によって精神的に安定したり、集中力が増したり、それによって性格にも変化があるかもしれません。
このように、呼吸の改善によって得られる変化は計り知れません。
日常的にストレスを感じていたり、食生活が乱れていると、呼吸は安定しにくいです。
仕事の合間や休憩時間を意図的に作って、深く呼吸する時間を作りましょう。
口呼吸の場合、舌の位置が下がっている可能性があるので、
正しい舌の位置にすると意識をつけましょう。

人は呼吸しなければ死んでしまいます。
生きることの土台です。
土台を適切にしなければ、その上に何を積み上げても崩れてしまいます。
まずは呼吸を適切にすることから始めてみましょう。
以上、セミナーの内容をダイジェストでご紹介しました。
ではまた!
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