今回は上咽頭炎についてです。
前回、上咽頭炎の治療後に
痛すぎて「これはすぐに伝えたい!」と思って
治療の感想文みたいな感じで、
上咽頭炎とは、その治療方法とは、をざっくりとお伝えしたのですが、
今回はしっかりお話していきます。
前回の記事はこちらから↓
https://saku31.com/2020/07/06/epipharynx/
参考図書は以下の3冊です。

堀田修さんの本がとても分かりやすかったです。
特に黄色い方がわかりやすくておもしろかったですね。
自律神経との関わりで脳の話があったので、個人的には黄色い方が好きです。
白い方は上咽頭炎の治療をしてくれる病院が掲載されてるので、そちらから探すのがオススメです。
別URLですが、こちらも参考にどうぞ↓
慢性上咽頭炎治療 医療機関一覧
竹内岳登さんの本は東洋医学との関連で、ツボやストレッチなどの視点がおもしろかったです。
ではいきましょー。
上咽頭炎のセルフチェック
まずは、上咽頭炎があるかどうかのセルフチェックをしてみましょう。
たくさんありますが、2つ以上当てはまれば上咽頭炎があると思った方がいいです。
- 頭痛
- 微熱
- 後鼻漏、鼻詰まり
- 首こり・肩こり
- 全身倦怠感、慢性疲労感
- 不眠、朝起きられない
- 声が出しづらい(ガラガラする、かすれる、高い声が出ない)
- 耳のつまり感(気圧で詰まる感じに似た症状)
- ぜんそく、咳が止まらない
- 喉が詰まった感じ
- 顎関節症
- めまい
- 花粉症
- 過敏性腸症候群(便秘や下痢を繰り返す)
- 思考、記憶、集中力の低下
- うつ、不安障害
- 月経異常
- 機能性ディスペプシア(胃もたれ)
- 歯痛、舌痛
- 手足の痺れ
- むずむず脚症候群
- よく風邪をひく
- 慢性湿疹
喉や顔まわりの症状だけでなく、胃腸や手足などの全身の症状とも関連しています。
不調を抱える多くの方が当てはまるのではないかと思います。
2つ以上当てはまれば、上咽頭炎の治療をしている耳鼻科に行って診てもらってください。↓
慢性上咽頭炎治療 医療機関一覧
特に見分ける条件として、①耳(アゴ)の後ろにある筋肉を押すと痛い、②口呼吸をしている、③後鼻漏がある、の3つです。
首の筋肉とは胸鎖乳突筋と言います↓

耳よりもアゴの後ろの方が触りやすいかもしれません。
または首の横側からつまめるのが胸鎖乳突筋です。
首こり肩こりのある人はここがガチガチになってますので、
ほとんどの方が痛いはずです。
改めて、この筋肉が硬い、口呼吸をしている、後鼻漏がある、の3つがあると上咽頭炎の疑いがあります。
上咽頭炎とは
さて、ここで上咽頭炎とは何かをおさらいします。
まず上咽頭は鼻の1番奥、喉の上の方にあります↓

ここは鼻から息を吸った通り道なので、常に細菌やウイルス、花粉やホコリなんかと戦っている状態です。
上咽頭炎の症状がない人の上咽頭の粘膜を採取すると、
免疫に必要なリンパ球などがたくさん採取できます。
それだけ常に臨戦態勢ということであり、炎症が起きやすい場所ということです。
その上咽頭炎には急性と慢性のものがあります。
急性は風邪を引いた時に起こる、喉や鼻の炎症です。
免疫反応の状態なので、免疫を高める薬などがちゃんと効きます。
厄介なのが慢性になった場合です。
慢性の上咽頭炎は薬が効きません。
慢性になるきっかけも、最初は風邪だったりしますが、そこから免疫反応が治らないと慢性化してしまいます。
ストレスや気圧の変化、
また子宮頸がんワクチンなどに使われるアジュバントという、
免疫を高めるためのアルミニウム塩などが上咽頭炎を慢性化させるとも言われています。
簡単に言うと、誰でもなりやすいということです。
先ほどの不調がある方はすぐに病院に行くのがいいと思います。
治療法
上咽頭炎の治療は、「上咽頭炎擦過療法:EAT」というものがあります。
今までは「Bスポット療法」と言っていましたが、最近「上咽頭炎擦過療法」に変わってきました。
海外でも認知されてきて、英語で伝わる名前にしたからだそうです。
この治療法は、上咽頭を綿棒で直接擦るという、古典的な方法で、そして非常に痛いです。
しかも1回ではなく、10回〜20回通わないと治りません。

このように、鼻や口から綿棒を入れて上咽頭を擦ります。
カメラで見ながらやる方が的確ですので、治療の際はカメラを使ってもらうようにしてください。
めちゃくちゃ痛いです。覚悟しといた方がいいです。
何度でも言います。本当に痛いです。笑
もうすでに2回受けましたが、笑えるくらい痛いです。笑
反射で涙が出るのでティッシュかタオルが必須です。
僕は治療中ずーっと涙流してます。
これ聞くと行く人少なくなりますかね?笑
痛いですけど、やらないと治りませんからね。
我慢です。
とはいえ、痛いのは嫌、怖いという人がいると思うので、
完治のためには病院に行く必要がありますが、
家でもできる方法もお伝えします。
1つ目は、鼻うがいです。
片方の鼻から生理食塩水を入れ、反対の鼻もしくは口から水を出すという方法です。
鼻の奥まで洗浄することができます。
僕はまだやったことないですが、
ちゃんとしたものでやらないと逆に炎症を引き起こしたりしてしまうそうなので、
鼻うがい専用のキットでやるのが望ましいです。
2つ目は、上咽頭の洗浄です。
鼻うがいと同じように生理食塩水を使いますが
スポイトなどでちょっとだけ鼻の奥に水を垂らす方法です。
この場合はほんの少量なので飲み込んでも問題ありません。
3つ目は首の後ろを温める方法です。
上咽頭周辺の血行をよくすることで、血液やリンパの滞りを防ぎます。
上咽頭炎があると気圧が下がる時に不調になると言われています。
それは上咽頭付近の血管やリンパ管が拡張し、流れが滞ることによって
自律神経神経の乱れなどを引き起こすからだと言われています。
4つ目は口呼吸を改善することです。
表情筋を鍛えるのに「あいうべ体操」というものがありますが、
堀田さんの本では「かっいうべ体操」というのが紹介されています。
「かっ」っと強く言う時に舌の奥を上げることで舌も鍛えられます。
また夜寝るときの口テープも重要です。
口呼吸の人は寝ている間に口が開いてしまうことで口呼吸をしてしまいます。
テープで口を止めることで強制的に鼻呼吸にします。
日常でどれだけ鼻呼吸を意識しても、睡眠の6〜7時間口呼吸したら意味がありません。
口呼吸は睡眠の質も下げるので
口テープ、ぜひやってみてください。
あとは首回りのストレッチや口腔内を清潔にすることなども堀田さんの本でいろいろ紹介されているので見てみてください。
上咽頭炎と自律神経の関係
上咽頭炎で問題が起きるのは自律神経です。
なぜなら、上咽頭の付近には迷走神経という、副交感神経を主軸とする感覚神経があります。
首が硬いと上咽頭炎の可能性があるという話もしましたが、
首の筋肉は副神経という感覚神経が支配しています。
これも副交感神経が関わります。
以前、ポリヴェーガル理論の記事を書いたのですが、↓
https://saku31.com/2020/05/20/polyvagal-theory/
副交感神経は太古の昔から存在する、胃腸などの内臓を司るものと、
顔面付近を司る社会性のためのものがあります。
この顔面付近の副交感神経は、話す聞く、呼吸をする、頭を使うなど、コミュニケーションに関わります。
しかし、ストレスに多く晒されるとこの副交感神経は遮断され、
交感神経優位な状態になります。
これが「闘争か逃走」反応と言って、血圧は上がり、呼吸は浅くなり、イライラしやすく、胃腸は働きづらい状態となります。
首こりや肩こり、胃がキリキリするなどの症状はこの状態です。
それ以上のストレスに晒されると、パニックや失神、うつなど、
太古の副交感神経の反応で活動が一時停止してしまいます。
これが自律神経失調という状態です。
上咽頭の治療をすると、顔面付近の副交感神経がしっかり働くようになるため、
頭痛や肩こり、首こり、胃腸機能なども改善されるのです。
ストレスと上咽頭炎との関連があって非常に興味深い話です。
不調だなと感じる、そしてストレスが多いなと感じる人は
上咽頭炎の確認は必須です。
最初のセルフチェックや自律神経の話、ストレスなども含めて、
当てはまる方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。
僕が治療を受けようと思ったきっかけは、
声が出しづらくなった、歌が歌い辛くなった、喉が乾いている感じがするなど、
その他諸々の不調もありますがこの辺りを実感し始めたからです。
割と日常生活で感じやすいことです。
それと、実は去年の夏頃に扁桃腺周囲炎になって、3日間ほど毎朝点滴をしてから仕事に行くということがありました。
あのあたりからは確実にあるんじゃないかなーと思います。
もっと前からありそうですけど。笑
それから最近は歯の治療を受けてます。
やはり口腔関連は繋がってきますね。
僕は今後、歯と喉の治療は自分のお客さんにもどんどんオススメしていこうと思います。
喉の違和感や首肩こり、だるい、疲れが取れない、ストレスが多いという方は
ぜひ、受診してみてください。
万病の元、上咽頭炎。
治療は痛いですが、治したらもっと健康になれますよ。
僕の治療過程もお見せしていきますので、お楽しみに。
ではまた!!